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食べる人の顔が見えるよろこび

  1. mamanohibi

 寒さが少しずつ和らいで、農家は徐々に、大忙しのシーズンを迎え始めます。先日は、合わせて1000苗のピーマンとナスを、親戚一同で植える一日。早く大きくなぁれ。小さな芽が出たポットが並ぶビニールハウスは、達成感とワクワク感で一杯になりました。苗が育ってピーマンとナスがわんさか採れたら、スパイスカレーに添えたいと思いながら。
 というのも、子育てしながら農業を手伝う生活をしているところに、昨年末、福山駅前の店舗を間借りしないかという話が突然舞い込んで、毎週水曜日、週一のカレーショップ「水曜カレー」を開くようになりました。そこで出す私のスパイスカレーには、栄養面も考えた、自家栽培の野菜を添えています。大阪にいたころはカフェを経営していたので、その時の経験を引っ張り出して。

週一のカレーを通じて気付いたこと
 カレーショップでは、農家としてのよろこびにまた一つ出会えました。それは、自分が育てた野菜を食べる人の顔が見えること。これまでは、野菜を売りに出しても食べる人の顔が見えませんでしたが、目の前でお客さんが「おいしい」「1食でこんなに野菜が摂れる」と言ってくれるのは、今までにない経験。野菜を買う側が生産者の顔が見えると安心感があるのと同じようなもので、作る側にも、食べてくれる人の顔が見えるよろこびがあると知りました。
 野菜を作ってお金をいただくのも、カレーを作ってお金をいただくのも簡単ではないけれど、売上が少し良かった日にはコスメ売り場に寄ってみたり。農家でもママでもオシャレを忘れずに。この夏も、メイクバッチリで畑に出かけます。

君野 祥子

きみのしょうこ/1977年福山生まれ。二児の母。18歳で大阪へ。38歳で福山へUターン。NPO法人mamanohibi。

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