photo:とねほのか
昼は福山の「風の丘」というシェアスペースの運営。夜は尾道でゲストハウスをしている。拠点は2つで、身体は1つ。若干のキャパオーバー感は否定しないが、この働き方は自慢したくなるほど楽しいことを伝えたい。
2019年6月、相方の協力もあり、やっとの思いで尾道の海沿いに、「なみうちぎわ」という小さなゲストハウスをオープンさせた。尾道でも数少ない漁師町のひとつ、尾崎本町に位置し、街並みや海を望む景色に、「いつかこんな街に暮らしてみたい」という声を、宿泊した方々から頂くことも多い。
なみうちぎわの共有スペースにある大きなダイニングテーブルには、毎日いろんなゲストが集う。故郷も年齢も違う人同士が仲良くなることも多い。それぞれが、「他愛もない話だけどね」と話をするこの時間こそが貴重だと私はつくづく思う。
ゲストハウスは、単なる宿泊施設ではないと思っている。その街でしか味わえない暮らしを、1日だけ買うことができるサービス。だからこそ、自分が幸せと思う暮らし方には妥協したくない。ゲストが感じる非日常こそが、私にとっての日常であるからだ。
自分たちが暮らしを見つめるように、忙しい日常の中で、ちょっとした幸せがたくさんあることに気づいて欲しい。「寄せては返す波のように、沢山の人が行き交うゲストハウス」より、そんな願いを込めて。