インテリアコーディネートの基本は、家族構成や家庭の動線をベースに、生活に必要な機能をもたらすこと。そのうえで、素材使いや空間の余白などを駆使して、見え方をもたらすこと。これら2つを同時に組み立てて、それぞれの空間に必要な家具やインテリア雑貨を揃えて配置する。簡単に言うと、そういうことになります。
機能をもたらすために必要なのが、想像力。例えば、お父さん、お母さん、子供2人という、4人家族のリビングを考えてみます。夕食を終え、子供たちがソファでテレビを観る。片付けを終えたお父さん、お母さんも、ソファやソファの横にある一人がけのリビングチェアでくつろぐ。子供2人と大人1人が座るために必要なソファの幅はどれぐらいだろう。ソファとTVの距離、リビングテーブルの奥行きなど、こうしたシーンを、どこまで解像度高くイメージできるかが重要です。
リビングよりも想像力を働かせやすいのが、キッチンです。コンロの幅がこれくらいで、調理スペースやシンクの幅はこれくらい。これらのサイズを足せば、キッチンに必要なスペースが見えてきます。過ごし方を具体的に思い描くことができれば、どんな空間でも、機能という意味でのインテリアコーディネートに失敗することはないはずです。
インテリアコーディネートで、見え方をもたらすのが難しい理由は、家具やインテリア雑貨は、一度購入すると買い換えることがあまりないから。ファッションなら、いろんなものを購入して、失敗しながら、自分に似合う色や形を見つけることができます。インテリアはこうした経験が積みにくいぶん、コーディネートが難しいんでしょうね。いずれにしても、どんな部屋に住みたいかをイメージする、想像力は必要です。
想像力の精度を上げるには、雰囲気が良いカフェやインテリアショップ、ハウスメーカーのショールームに行ってみましょう。そして、気に入った空間をじっくり観察し、記憶してください。ソファやダイニングテーブルのサイズを測りたいときは、けっして店員さんにばれないように。変わった客と思われます。頭の中でこっそりと測ってみてください。アルゴリズムでは、いつでもサイズを測れるよう、メジャーを用意してお待ちしています。