美容師の仕事は、かわいい子を増やすこと。
かわうえみちひさ/rinka.代表取締役、美容師。1971年福山市生まれ。東部美容学校卒業後上京、そしてロンドンへ。帰国後、大手美容院に10年務め、2005年ageha hairを立ち上げる。
「ヨーロッパ人はお肌よりも髪の綺麗さを重視するんだよね。お肌は近くないとわからないけれど、髪は離れていても分かる」
髪に年齢は出るもの。逆にいうと、髪を健康に保つことができたら、見た目の若さもぐんと変わる。松浜町にある美容院ageha hairオーナー、河上倫久さんの言葉が気になった。
日本人は、鏡に向かってお肌の細部を気にしていても、髪の毛のケアやスタイリングに目がいかない、苦手だという人はとても多い。それは美容師の責任だと、河上さんは言う。
「お客様のライフスタイル、お洋服、空気感、メイク、美容師はそれに合わせたカットをしないといけないもの。スタイリングしやすい人としにくい人までも、思いやってあげないと。美容院では満足いく仕上がりでも、家に帰ってからの毎日の中で“なんかスタイリングしやすいな”とか、“カラー、カットの持ちがいいな”などを感じてもらえてこそ、お客様の本当の“キレイ”のお手伝いができるんじゃないかな」
昔はカリスマ美容師に人が集まり、情報発信が美容院にあった。今やファストファッションも当たり前になり、それぞれの個性が立ち、価値観のベクトルが変わってきた時代だ。
髪の健康を考えるべき
自分のコーディネートをしやすくなってきている中で、髪型を気にするのに加え、髪自体の健康をもう少し考えるべきではないかというお話だ。そうすると、食べ物や使うシャンプーなど1つ1つにも関わってくる。
「美容師を始めた頃からずっと、町にかわいい子を増やしたいと思い続けてるんですよ。でも、かわいい、はお金がかかると勘違いしてしまう人も多い。毎日目につく指先のネイルサロンには毎月通ってお金を払うのに、毎日の髪のケアには意識が低い。1年365日で、お客様がサロンに通う回数は平均3回。残りの362日のお手伝いを、髪に関わる美容師がするべきと思っているんです」
それには、美容師側の経験、技術、知識、センス、情報が必要なのに、それがこの街には少なすぎる気がすると話す。現状、美容師同士のコミュニティというのはなかなか存在しない。 「情報交換も含め、もっとみんなで考え合えるような、病院でいう学会みたいなものを、地域の美容業界でも作りたい」
コーディネートというものは、頭のてっぺんから指先、つま先までをトータルで見てこそ。その1つ1つを見せかけだけではなく、体も内側から、髪型も髪質から、そんな風にして自分と向き合える人が増えると内側からの美しさを放つ、自信をもった人が増える。美容師とは、仕上がりだけでなくお客様の毎日の美までを想い続ける仕事なのだ。
ageha hair
住所:福山市松浜町3-8-40
TEL:084-926-0696
営業時間 :平日 9:30~20:00 、日祝 9:30~19:00
定休日 :月曜日
http://ageha-hair.com