喜田紘平/学校法人喜田学園 東林館高等学校

  1. mamanohibi

街のゴミを子供たちと拾い続けて5年、いま思うこと。

きだこうへい/学校法人喜田学園東林館高等学校理事長 。福山はぐくみ研究会代表。福山市議会議員。

2010年、28歳で学校法人喜田学園東林館高等学校の理事長に就任した喜田紘平さん。2016年には福山市議会議員となった。「福山はぐくみ研究会」を立ち上げ、市内でのゴミ拾いを子供たちと定期的に続けるなど、心を育てることの大切さに目を向けて活動する喜田さんに話を聞いてみた。

ーー学校法人喜田学園東林館高等学校とはなんですか?
喜田:既存の学校が行きにくいと感じる生徒を専門的に支援している通信制の高等学校です。一人一人の心に寄り添いながら、子供たちが自分のペースで学習を進めることができる学校です。

ーー清掃活動はいつからですか?
喜田:
2013年から「福山はぐくみ研究会」として、定期的に日曜の朝に福山市内でゴミ拾いをしています。子供が街に目を向ける、考えるきっかけを作ることがしたくて。ゴミの中で一番多いのがタバコです。ゴミ拾いを通して、私たちの背中を見て子供たちがポイ捨てをしないことや、例えば挨拶をすることなどを学んでくれたらと思います。子供には、理解して動くタイプとまずやってみようというタイプがいます。そのタイプを見抜いて寄り添うのが、これからの教育現場に大事なことですね。

ーー子供たちに期待することは?
喜田:
大人になっても福山に愛着を持っていて欲しいんです。愛郷心というか。単純に自分の育った場所を愛して欲しいです。故郷を思う気持ちって、家族愛と同じで自己肯定にもつながります。自分自身を愛せる人が増えて欲しいんです。
 しかしながら、今、社会の在り方自体が大きく変化し、それに伴って保護者の働き方も大きく変わってきました。その中で、昔のように子供へのコミュニケーションの時間もなかなか取りづらい環境になってきました。なので家庭でのコミュニケーションの時間を増やすというよりも、限られた時間でコミュニケーションの質を高めていくという意識が大切だと感じています。

ーー世の中の変化もだんだん速くなっています。
喜田:
昔は10年ひと昔と言っていましたが、今は3年ひと昔。時代の変化がどんどん早くなっていく中で、意識して守らないといけないことがあると感じます。それが、家庭でのコミュ ニケーション。そこが基盤となり、学校教育、地域とつながります。家庭で積み上げたものが子供が頑張れる力となり、外部の社会に対応できる力になります。家庭が、子供のエネルギーチャージをできる場であって欲しいと願っています。

ーーこれからやりたいことは?
喜田:
今を生きる子供たちは、変化の激しい社会を生き抜いていかないといけません。
 そのためには、家庭だけでなく、学校、地域、医療、福祉、企業、行政など、子供たちに関わるすべての方々が、共に手を取り合い、子供たちの未来を一緒に育んでいく必要があります。
 だからこそ、子供たちに関わるさまざまな方々や機関をつないでいける、橋渡し役を担っていきたいと感じています。皆さんの思いをしっかりと受け止めながら、私自身も自分の思いを発信し続け、子供たちの未来を創るための土台作りや意識の醸成を行い、この街に貢献していきたいです。

井口 絵海

いのくちえみ/1977 年福山生まれ。二児の母。NPO 法人mamanohibi 代表。ラジオDJ(KissFM KOBE)。育児セラピスト。

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