今岡麻住/ワン!だぁカフェ

  1. mamanohibi

ワン!だぁカフェをはじめた理由。

 駅前で、犬たちが走り回る。大きな犬も小さな犬も互いを匂って「こんにちは」と言っているみたいに、犬同士の交流で一気にその場が明るくなる。そしてその後ろには多くの飼い主。普段、家では見せない犬たちの興奮ぶりを、目を細めて見ている。そんな光景が「ワン!だぁカフェ」に広がる。

 福山の愛犬家同士の会話で「ドッグランがあったら」という声がとても多かった。物心ついた頃から動物が好きで、学生時代にはペットショップでアルバイトもした。そこでは犬や猫だけでなく鳥や魚、小動物まであらゆる生き物の世話を経験することで、命を育てる責任、見送る意味を知った。
 小さい頃からの念願だった犬を飼うことが叶ったのは、結婚して子供がある程度育った時だった。今は2匹のトイプードルを子供と一緒に育てているけれど、動物と暮らすことは子供の情操教育にも、とてもいい。毎日「大好きだよ」と伝え続ける子供たち、喧嘩が起きた時はその側で心配そうに寄り添う2匹。互いに元気がない時は気にするくらい、心がつながっている。

駅前に犬が集まるイベント
 動物が家族の一員という人は多い。動物への想いが募るほど、犬に関わる何かができないかと考えていた。そんな時、同じ想いの人たちに出会った。駅前で犬を含めたコミュニティがあったら楽しいと思い、2013年、手探りながらも「ワン!だぁカフェ」を福山市役所南広場で開催した。
 犬たちが走り回るには地面がコンクリートであってはいけない。暑い時期では地面から距離の近い犬には過酷だ。ドッグランを開催するには場所や開催時期もとても重要。予算のない中でのイベントだったので、柵を貸してくれる人や、軽トラを出してくれる人のサポートは本当にありがたかった。
 回を重ねるごとに口コミで広がり、少しずつ遊びに来てくれる犬や人が増えていった。毎年2回、今までに8回開催し、動員犬数はおよそ2500頭。会場には多くの、飼い主に愛されて自信に溢れている犬が集まる。
 そんな犬を見ていると、愛されずに捨てられていく犬のことを思うようになった。今まで保護犬の現状は、怖くて目を背けていたけれど、向き合う時が来たと、保護施設に取材に行った。帰り道には、多くの人にこの保護犬の現状を知ってもらい考えてもらいたい、そんな気持ちでいっぱいだった。
 私たちが数年かけて築き上げてきたこのイベントを、もっと意味のあるものに使えるのではないか。ペットはかわいいだけではない、命ある生き物だ。ペットを飼うのにはどういうお世話が必要で、どれくらい費用がかかるか。可愛さが先行し、それを分からず飼う人もいる。環境の変化で飼えなくなる人もいる。人間の都合で捨てられる、そんな犬が少しでも減るように私たちに出来ることはたくさんある。
 次回のこのイベントでも、しつけ相談や譲渡会を開催する。犬を飼っている人も飼いたい人も、犬が好きな人も人が好きな人も、ぜひ遊びに来て欲しい。私たちの活動が、犬、人のコミュニティを広げ、そして裏側にある悲しい現状を少しでもよくしていけたら。これからも想いをかたちにしていきたい。

第9回「ワン!だぁカフェ」
開催日:2017年10月15日(日)
時間:10:00〜15:00
場所:福山市役所南側広場 雨天中止
お問い合せ:wondercafe29@gmail.com
https://www.facebook.com /ワンだぁカフェ-304225809729105/?fref=ts

大型犬、小型犬それぞれのドッグランエリアのほかに、ワンちゃんグッズの物販ブース、ホットドッグやコーヒーなどの飲食ブース。そして飼い主さんと相性チェックゲームやわんこフラッグのワークショップ、リボン付けやブラッシングコーナーなどなど。愛犬も一緒に楽しい1日を過ごしてくださいね。もちろん保護犬も参加しますよ。

*イベント内容は変更する場合があります。

今岡 麻住

いまおかますみ/1978年台灣生まれ。二児の母。多胎児サークルツインズファミリー代表。NPO法人mamanohibi。ワンだぁカフェ主催。

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