右下誠(mako)/アーティスト、アートディレクター

  1. ヒトモノ

「人」や「関係」がおもしろい時代。

みぎしたまこと/アーティスト、アートディレクター。1977年生まれ。広島県内での個展やワークショップを中心に県外にも活動を広げる。

 広島を中心に、2010年からアーティスト、アートディレクターとして活動する右下誠(mako)さん。さまざまな場所で個展を開催し、最近は企業の依頼を受けることも多くなってきた。アーティスト活動や企業とのコラボレーションについて聞いてみた。

――イラストのイメージは、どのように生まれるのでしょうか。
右下:アイデアはいつでも浮かんでくるので、それを表現している感じですね。例えば、人と会って話している時には、相手が着ている服や身に付けているものが視覚から入ってくるので、そこからアイデアをもらうというか。あとは、「2つのものをくっつけたらどうなるんだろう」「この色を反転させたらどう見えるんだろう」と考えているうちに、新しいアイデアが浮かんできます。

―― 疑問からアイデアが生まれることがあるんですね。
右下:「なんでコップに水滴が付くんだろう」とか「なんであれはああなってるの?」とか、周りの人や企業の人にも、いつもいろんなことを尋ねています。そうやって吸収した知識が、デザインとして還元されているんじゃないかと思います。

―― 企業からの依頼も多くなってきましたね。
右下:今、刺繍会社と一緒に新しい商品開発をしています。ライフスタイルの分野では、カーテンを一緒に作る話も進んでいます。昔から、ライフスタイル関係のデザインやディレクションをしたいという気持ちがあったので、念願叶ってという感じです。そろそろ、自分の活動をまとめた本を作りたいと思っています。

―― なぜいろんな方々とコラボレーションするのでしょうか。
右下:人と人のつながりが好きで、いろんな人が集まれば、なんでもできると思っているからです。ほかにも、この人とこの人をつなげたらこんなデザインができるんじゃないかなと考えることも多く、お節介焼きな部分もあります。僕にとっての仕事は、生きているままというか、呼吸と同じ感覚。こう言うと語弊があるかもしれませんが、これを知りたい、あれを知りたいという欲求がたまたま生業となっています。仕事は遊びの延長であり、自分の欲求を満たすものです。

―― これから実現したいことは?
右下:僕の仕事は、自分にしかできないと思うのですが、地域や子供たちに何かの形で残すことができないかなと考えています。例えば、寺子屋みたいなもの。小さい頃、おじいちゃん、おばあちゃんに教えてもらったみたいに、そこに行けば自然とものごとを教われるような空間です。今までの活動を通じて出会った仲間と協力をしながら、形にできればと思っています。勉強ではなく、常識やコミュニケーションみたいなものが、今とても大事だと思います。(文=山﨑小由美)

山崎 小由美

やまさきさゆみ/ALGORHYTHM

記事一覧

関連記事

茂野佳子/アロマ・トレーナー

暮らしに取り入れるいい香り。しげのよしこ/ナード・アロマテラピー協会認定アロマ・トレーナー。2009年自宅で「ラームナテュレル」起業。企業や団体の依頼を受けてア…

桑田真由美/桐箱メーカー代表

桐でできた宝箱。くわだまゆみ/曙工芸株式会社 代表取締役社長。1962年生まれ。生活に近い視点から、桐箱の新たな用途提案を行なう。今では娘も会社を手伝っている。…

夏目ゆう子/丘の上のつるばらや

2017年夏、植物に教えてもらったこと。なつめゆうこ/庭師・園芸店店長。広島県福山市在住。沼隈町にある木造校舎を改装した園芸店「丘の上のつるばらや」から、自然と…

Peter Card/ツアーガイド

ローカルのディープな旅に英語で誘う。ピーター・カード/ツアーガイド。アメリカ・フロリダ州出身。1984年生まれ。2010年に英会話講師として来日。外国人向けに、…

小畠悦男/株式会社小畠

西日本で「一番」の薪ストーブ店。株式会社小畠 1953年に現代表の父親が創業。設計、施工の技術者を含め社員6名。敷地内にある3つのショールームには合計40台の薪…

MIKA/ヨガスタジオravi

自分を変えるきっかけに。みか/ヨガスタジオravi代表。1987年大阪生まれ。「心も身体も健康になるライフスタイルの提案」をコンセプトに、企業への出張レッスンや…