川越和昭/バーテンダー

  1. ヒトモノ

地域に支えられて好きな仕事をする喜び。

かわごえかずあき/アンカーバー with あき乃店長。1996年生まれ。福山工業高校卒業後、知人の紹介から「あき乃」へ。

福山で、オーセンティックバー「あき乃」、ハイボールバー「ペルル」、古民家バー「あき乃城見別邸」を営むあき乃グループが、2018年12月にオープンした「アンカーバー withあき乃」。多くの観光客が訪れるホテル「アンカーホテルフクヤマ」1階のこのバーで、店長を務める川越和昭さんにローカルで働くことについて聞いた。

 工業高校を卒業し、自動車関連の工場に勤めていた際、知人にバーテンダーの仕事を勧められました。2017年に「あき乃グループ」で働き始め、最初はアシスタントで、そのうち、バーテンダーの勉強をすることになりました。接客業の経験はありませんでしたが、楽しい話も真面目な話もできる、飲みの場のコミュニケーションが好きでした。
 2018年4月ごろ、この「アンカーバー」の計画が立ち上がったタイミングで、オーナーから「私たちと一緒に、本気でバーテンダーをやらないか?」と声をかけていただきました。ふたつ返事で、「やりたいです」と言いました。バー開業の1ヶ月前には、バーテンダーの技能認定試験があったので必死に勉強し、無事合格できて、ホッとしたのを覚えています。

役割の変化が心境の変化を促す

 アンカーバーがオープンして8ヶ月。昔からお酒を呑むこと以上に、お酒の「場」が好きでした。だから、この仕事は向いていると思っています。「若いくせに」と言われることもありますが、若いからこそ、可愛がってもらえることも多いです。徐々に、店長としての責任の重さを感じるようになり、仕事に対する姿勢も変化してきたと感じています。
 オススメは、厳選した広島素材で作られた「SAKURAO GIN」というクラフトジンと、瀬戸田産のレモンを使ったジントニック。地元福山で働くことはやりがいにもなりますし、地元の良さをもっと知りたいという思いも湧き上がってきます。
 「あき乃グループ」のほかの店舗も福山駅周辺にあり、常連さんとのつながりを大事にしています。県外からの宿泊客が多いアンカーホテルフクヤマは、お客様の出会いも一期一会ですが、旅の思い出とともに記憶に留めてもらえれば幸いです。(文=高橋源)

ANCHOR BAR with あき乃
2018年12月、地域コミュニティの拠点として、福山で作られる素材を掛け合わせて作られたホテルの1階にオープン。宿泊客や地域の人々の集いの場となっている。
住所:広島県福山市城見町1丁目1-10 アンカーホテル1F
TEL:084-921-4025
営業時間:17:00~24:00(LO 23:30)
定休日:日曜日(祝日の場合は翌日)

高橋源

たかはしげん/尾道ゲストハウス なみうちぎわ

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